患者・市民の医療政策への参画に関する提言
2022年4月
一般社団法人新時代戦略研究所(INES)
患者目線で革新的医療政策実現を目指すパートナーシップ
革新的な医療技術(ゲノム医療を含む)や医薬品・医療機器・再生医療等製品、ワクチンを含む適切な医療を国民誰もが公平に受けることができ、病気になっても安心して暮らせる健康長寿社会の実現を目指し、患者・市民の医療政策への参画について提言いたします。
また、提言の背景と課題、ならびに必要となる施策・支援の詳細を後述いたしました。
要望:
国民皆保険制度の利用者である患者・市民が、医療政策の立案や決定プロセスに確実に参画でき、その声がしっかりと反映させられるための以下の仕組みを整備してください
<患者・市民の代表を医療政策立案の過程に参画するために必要な施策・支援>
- 中央ならびに地方の医療協議会における患者・市民代表委員枠(2名以上)の設置及び設置に伴い必要となる制度改正や将来的な法改正を含む諸整備の実施
- 厚生労働省内に、医療政策決定プロセスに参画する患者団体・患者・市民の募集、採用から研修、その他、選出された患者・市民が委員としての役割を十分に果たすために必要な支援や調整を担当する窓口を新たに設置
- 2で設置する窓口となる新部署が中心となり、医療行政の審議会や委員会に参画する患者・市民代表委員の選定基準や選出方法の明文化
- 医療行政の審議会や委員会に参画する患者・市民及び医療従事者などの委員を対象とし、医療制度、医療経済や財政、公衆衛生など委員としての役割を担うために必要な知識習得を目的とする教育、研修プログラムの提供(同プログラムは医療行政及び医療関連の一般市民向け啓発プログラムとしても位置づけ、広く受講可能なものとし周知する)
- 医療行政の審議会及び委員会において患者・市民の声が反映されていることを検証、評価する第三者委員会を厚生労働省管轄部署として設置
■要望の背景と課題
- 日本では、国民皆保険制度の下、誰もが安心して医療を受けられる医療制度を実現してきた。一方で、世界にも例を見ない急速な高齢化の進展や、それに伴う生活習慣病(慢性疾患)患者の増大などにより、医療費の増加による財源の圧迫をはじめとして、持続的な社会保障制度を維持するために解決しなくてはならない様々な課題・改善点が浮き彫りになってきている。また、人口構造及び疾患構造の変化は、長期に渡る療養や介護による患者家族などへの負担につながっており、医療だけでなく介護の在り方についての課題も指摘されている。国民にとって公平かつ革新的な医療政策の実現とその最適な制度運用のためには、政府や医療従事者だけでなく、患者や支援者、その他社会保障に関わるステークホルダーの各視点から、多角的に議論することが必要不可欠であると考える。
- 慢性疾患だけでなく、がんや希少疾病も含めた様々な疾患を持つ患者が、画期的な治療薬をはじめとする医療イノベーションに持続的にアクセスできるようにするために、薬価制度や社会保障制度全般に関わる現在の医療政策に対して、患者視点の評価・意見を政策決定の場に反映させる仕組みづくりが必須であると考えている。
- がん、肝炎、アレルギー疾患は、各疾患対策基本法により患者当事者(医療受益者)が協議会の委員となることが明文化されており、当事者の声を反映した医療制度や社会的サービスの整備につながっている。今後は、個々の疾患への対応に加え、医療全体及び医療政策全般においても患者・市民当事者の声がまとまった形で反映させる仕組み作りへと発展させていくことが必要であると考える。
- 誰もが患者となる可能性を持っており、国民皆保険制度の維持はもとより、医療制度全般への国民の関心は高い。
2019年日本の医療に関する世論調査によると、「現在の医療及び医療制度にどの程度満足していますか」の質問に対して、『満足度の最も低い項目は、33.7%の「医療制度を作る過程での国民の声の反映」であった。 次いで、「医療政策を作る過程の透明性」が 33.8%、「医療制度の分かりやすさ」が37.4%と満足度が低かった』という結果が示されている。また、医療政策策定プロセスにおいても、「約8割が自分の声を医療政策に反映させたいと回答」としている。(出典:特定非営利活動法人 日本医療政策機構:2019年日本の医療に関する世論調査)
このことから現行の医療策定プロセスを見直し、国民の声を医療政策に反映する仕組みを国民が求めていることが強く伺える。 - 海外ではすでに患者・市民の声を医療制度に反映する公的な仕組みが構築され、患者や市民が医療政策の決定プロセスに参画している。より良い医療、質の高い医療の実現のためには日本でも同様の取り組みをすることが求められる。
- 現在世界中に影響が及んでいる新型コロナウイルス感染症に対しては、国主導の対策が進められている。今回のようなパンデミック発生時には、単にワクチンや治療薬の開発や安定供給のみにとどまらず、がんをはじめ様々な疾患を抱えた患者や一般市民の日常生活まで影響を及ぼすこととなり、様々な課題の迅速な解決にむけて、患者・市民視線をふまえた幅広い感染症対策が求められている。
■具体的な施策・支援
- 中央ならびに地方の医療協議会における患者・市民代表委員枠(2名以上)の設置及び設置に伴い必要となる制度改正や将来的な法改正を含む諸整備の実施
- 医療政策に関わる委員会、審議会の構成メンバーを見直し、メンバー数に応じて患者・市民の代表として最低2名以上をメンバーとして参画させるよう規定を改定する。
- 疾患に関わる議題では、当該疾患の患者当事者の参画を必須とする。
- 社会保障審議会や中央社会保険医療協議会など法律で委員構成が決められている審議会、検討会、委員会等では上記委員構成の見直しに応じて必要とされる法改正を行う。
- 厚生労働省内に、医療政策決定プロセスに参画する患者団体・患者・市民の募集、採用から研修、その他、選出された患者・市民が委員としての役割を十分に果たすために必要な支援や調整を担当する窓口を新たに設置
- 患者・市民参画推進室(仮称)を新設し、患者・市民代表委員に関する業務窓口を一本化し、採用から選出された委員に対するサポートまで一連の業務を行う。また、同様の窓口を地方支分部局にも設置し、その司令機能を患者・市民参画推進室(仮称)が担う。
- 患者・市民参画推進室(仮称)は、多様な視点からの意見を医療政策に反映されるために医療政策への参画に関心があり、一定の選出基準を満たした人材を登録し、その中から行政及び患者・市民側双方のニーズに合った人を選出する人材バンクのような仕組みを構築する。人材バンクに適切な人材がいない場合にはホームページで公募する制度を設ける。
- 患者・市民参画推進室(仮称)は、患者・市民代表委員に関する業務に加え、より多くの患者・市民の声を政策に反映できるよう現行のパブリックコメントについての見直しを行う。具体的には、告知や募集方法、パブリックコメントの公表など患者・市民の声の反映状況の「見える化」ができる仕組みを検討する。
- 患者・市民代表の採用、選出にあたっては利害関係が生じないように、行政側及び患者側から独立したNPO組織等の新たな設立も検討する。
- 2で設置する窓口となる新部署が中心となり、医療行政の審議会や委員会に参画する患者・市民代表委員の選定基準や選出方法の明文化
- 医療受益者の代表となる患者・市民に対して明確な選出基準を設定し明文化する。選択基準には、委員としての経験の有無、発言に偏りがないかどうかの確認や利益相反の開示などを含める。選択基準及び選出された委員については、WEBサイトなどを通じて一般に開示し、透明性の高い運用を目指す。
- 医療行政の審議会や委員会に参画する患者・市民及び医療従事者などの委員を対象とし、医療制度、医療経済や財政、公衆衛生など委員としての役割を担うために必要な知識習得を目的とする教育、研修プログラムの提供(同プログラムは医療行政及び医療関連の一般市民向け啓発プログラムとしても位置づけ、広く受講可能なものとし周知する)
- 患者・市民及び医療従事者が医療行政の審議会や委員会の委員になる際に必要となる医療制度、医療経済や財政、公衆衛生などの知識についての体系的なプログラムを構築する。
- 加えて、同様のプログラムを一般市民むけの啓発プログラムにも活用し、多くの人が受講できるよう周知する。
- 医療行政の審議会及び委員会において患者・市民の声が反映されていることを検証、評価する第三者委員会の厚生労働省管轄部署としての設置
- 第三者委員会を設立し、各審議会、検討会等の委員会で患者・市民委員の参画の有無、発言の機会などを把握し、患者・市民の声が反映されているかを定期的に検証、評価する。
患者目線で革新的医療政策実現を目指すパートナーシップ
政策提言作成メンバー
- 梅田 一郎
- 一般社団法人新時代戦略研究所 (INES) 理事長
- 朝井 淳太
- 一般社団法人新時代戦略研究所 (INES) 代表
- 小黒 一正
- 法政大学経済学部 教授
- 辻 邦夫
- 一般社団法人日本難病・疾病団体協議会 常務理事
- 眞島 喜幸
- NPO法人パンキャンジャパンすい臓がんアクションネットワーク
理事長 - 桜井 なおみ
- キャンサー・ソリューションズ株式会社 代表取締役社長
- 鈴木 森夫
- 公益社団法人認知症の人と家族の会 代表理事
- 武川 篤之
- 認定NPO法人日本アレルギー友の会 理事長
- 高畑 紀一
- HPVワクチンfor Me 呼びかけ人
- 宮田 俊男
- 早稲田大学工学術院 先進理工学研究科 教授
医療法人社団 DEN みいクリニック 理事長 - 真野 俊樹
- 中央大学大学院戦略経営研究科 教授/多摩大学院 特任教授
- 大屋 亜希子
- 一般社団法人サードパス 代表理事
(順不同)
別添資料
患者・市民の医療政策への参画を期待する方々からのメッセージ
【患者・支援者の声】
辻 邦夫/一般社団法人 日本難病・疾病団体協議会 常務理
国民皆保険制度を守り、お互いが支えあえる社会を維持するためにも、難病対策が国民全体の課題であることを広く知らしめる必要があります。また、患者も医療や福祉の恩恵を受けるだけではなく、当事者として問題意識を持ち、医療・福祉の課題解決に参画していくことが求められていると考えます。
高畑 紀一/HPVワクチンfor Me 呼びかけ人
医療政策は医療を受ける当事者、当事者を支える立場からの声が無ければ、そのスピードも内容も不十分なものにならざるを得ません。当事者の声が不可欠だからこそ、その質を高め責任を持って発信する力、そしてその声を確実に政策立案につなげていく仕組みが必要です。
鈴木森夫/公益社団法人認知症の人と家族の会 代表理事
認知症に対する見方を変えた人として有名なオーストラリアの当事者、クリスティーン・ブライデンさんが訴え続けている「Nothing about us, without us!(私たち抜きに私たちのことを決めないで!)」を医療政策の原則に。
轟 浩美/スキルス胃がん患者家族会「認定NPO法人希望の会」 理事長
日本でも患者・市民参画(PPI)が進められようとしています。今まで、患者の声が医療、制度、政策に繋がってきたように、医療のエンドユーザーだからこその患者、市民の力が、さらなるイノベーションに繋がると考えます。
桜井 なおみ/キャンサー・ソリューションズ株式会社 代表取締役社長
日本において革新的医療政策を進めていくためには、①財源配分の効率化の推進、②医療の最適化の推進、③イノベーションによる価値の社会共有、という3つの柱が必要と考えています。そして、その始まりは、患者・市民参加による「議論の場づくり」にあります。
若尾 直子/NPO法人がんフォーラム山梨 理事長
患者目線の医療政策実現のアウトカムは、『すべての患者が、それぞれの診療分野において、患者目線での医療が行われていると感じることができる状態』になっていることです。一朝一夕では実現しないアウトカムかもしれませんが、必ず達成できると信じ、それぞれが同じ目標に向かい、できることを実行し続けられたら良いなぁと思います。
上田 肇/ギラン・バレー症候群 患者の会 代表
患者目線の医療政策実現に向けて、ここ数年で日本でも患者・市民参画(PPI)という追い風が吹き始めました。日本医療研究開発機構(AMED)による狭義のPPIは「研究者が患者・市民の知見を参考にすること」ですが、欧米のように「患者・市民と共に、または患者・市民によって研究が行われること。医療政策の全般において、意思決定の場に患者・市民の関与を求める」といったより広義のPPIが患者や家族の抱える課題の解決には必要です。
中川 圭/認定NPO法人乳がん患者友の会きらら 理事長
コロナ禍の数年で社会そのものが大きく変わり、医療の在り方への国民の関心が高まった今が、医療改革の大きなチャンスであるのかもしれません。国民自身も長期的な視点に立って、自分たちの命を守るために何を優先すべきなのかの議論を深めなければならない時だと考えます。
難波 美智代/一般社団法人シンクパール 代表理事
医療に限らず社会的なデジタルインフラが整備され、患者と生活者の現状を定性的そして定量的に把握し、その推移を評価できる人材が政策決定の場面にいち早く配置されていくことに大変期待をしています。日々の診療のコミュニケーション以外で、患者やその家族がその辛さや苦しみを訴えること自体に労力を費やさなくても、エコシステムによって循環されていく社会の進化に大きな希望を持ちたいと思います。
藍澤 正道/日本難病・疾病団体協議会 副代表理事 全国パーキンソン病友の会
難病や希少疾患、長期慢性疾患の領域では、患者の願いや目線と異なる制度となった結果、制度の壁を超えられない、あるいは制度間の谷間に閉じ込められてしまうことなどが起こりやすい状況にあります。国の政策や、法律、制度は当事者の願いだけでは決められないことは理解できます。そこには、社会的な状況や、政策の方針、財政の状況、公平性や制度の持続性など多角的な視点が求められます。患者も、救済を求めて待つだけでなく、当事者としての多角的な視点と問題意識を持ち、個別患者会の枠組みを超えて医療と福祉の課題解決に主体的に参画していかなければなりません。
秋山 千登世/一般社団法人Team CML @Japan 代表理事
発達したテクノロジーを駆使し、日本のあらゆる地域で患者の望む医療が公平に受けられるよう、オンライン診療の更なる促進、カルテ等のデジタル化による病院間の連携を望みます
髙木 健二郎/一般社団法人食道がんサバイバーズシェアリングス 代表理事
命にかかわるような重要な決断を下す治療を行う場合は、ある程度の義務化など、必ずセカンド・オピニオンを受けなければ次のステップに進めないような『明確なルール作り』を行う事が、患者及び医療者側双方にとって関係性を気遣ったり損なったりする事無く、より納得した上で治療を進行していくために必要なのではないかと考えます。
重光喬之/NPO法人両育わーるど 理事長
難病者の困難を解消するためには、彼らを包摂する制度や支援が必要です。難病法のような医学モデルや、障害者総合支援法のような既存の社会モデルだけでは抜け漏れる人を生み出してしまいます。そのため一人ひとりの「生きづらさ・暮らしにくさ」を尺度にし、難病者のニーズに応じた支援までを組み入れた新しい社会モデルが必要です。見逃されがちな難病患者の声が社会福祉政策に反映されることで、結果的に誰もが安心して暮らせる社会になると信じています。
武川 篤之/認定NPO法人日本アレルギー友の会 理事長
“私たちの結束が重要”
日本の医療を動かす!
巨大な医療が動かせるのか? 動くはず無いのでは?との思いでしたが、実践してみました。
先ず、動かすには動かす仕組みを知る事。次は、動かす人となるべき資質を身に付ける事が求められます。それを可能とする仕組み、そして様々な疾患に罹患している人達と協働すること。 そうすればきっと動きます!「皆で輪を作り、動かしましょう!」
【個別疾患に関する患者支援団体からの声】
眞島 喜幸/特定非営利活動法人パンキャンジャパン 理事長
イノベーションこそががん患者さんを救う鍵ですので、ぜひ関係者には、膵臓がん研究を促進していただき、Actionableな遺伝子変異とそれにマッチした治療薬の開発を含む「創薬イノベーション」を積極的に進めていただくことを切にお願いいたします。
藤田 和子/一般社団法人 日本認知症本人ワーキンググループ 代表
認知症には様々な病気・症状があると思いますので、できるだけ多くの認知症本人の声を取り入れていただけるような仕組みや場が必要だと思います。また、意見を聞くだけではなく、それを踏まえて今後どうしていくのか、議論ができれば、よりよい社会づくりの活動につながると考えています。
中井 まり/ムコネットTwinkle Days
長男がムコ多糖症と診断されてから 22 年、治療薬が承認されて 14 年以上経ち、薬の審査の仕組みが変わり、新薬の承認もアメリカと並ぶほど早くなり、日本の保健医療は世界一とも言われています。再生医療や iPS 細胞の応用など、日本発の新しい医療に期待しています。今もなお治療薬がない患者さんに一日も早く治療薬が届くこと、ムコ多糖症をはじめ難病の患者さんに決して止まることなく研究が進むことが今あるべき姿だと考えます。
伊藤 寿一/なんで白血病は難病じゃないの!? 管理人
白血病患者は、長期に渡る治療、医療費による家計への負担、寛解を得ても社会復帰がうまくいかなかったりと日常生活が脅かされます。患者目線で医療を見ると①病院での担当医が変わること、②経済的不安、③地域医療制度の活性化も負担となることがあります。白血病に対するより深い理解とより高い福祉・医療を求めて、啓発活動もしていきたいと思います。
山﨑 明子/円形脱毛症の患者会 理事
頭髪だけではなく全身の体毛まで奪う難治性の円形脱毛症は、現在のところ治療法も確立しておらず、数十年に亘る長い期間、人目を避けながら生活をしている患者も数多くおります。この病気の真実を、一般の方々に知っていただきたいと切に願っております。
【アカデミア・医療従事者・その他 有識者の声】
小黒 一正/法政大学経済学部 教授
患者本位のデータ駆動型・医療における真の目的やコアは何か、その徹底的な議論が必要なことは言うまでもありませんが、既に一定の方向性があることは明らかであり、医療分野のDX実現に向けて、患者さんの声を含め、我々の叡智を結集すれば、新時代の医療体制を構築できると信じています。
真野 俊樹/医師、中央大学大学院 戦略経営研究科 教授 多摩大学大学院 特任教授
今後の医療というものを患者起点で考える必要性はより増しており、「事件は“会議室”で起きてるんじゃない! “現場”で起きてるんだ!!」ではないが、「事件は患者に起きており」、そこに様々なことが起き、ひいてはイノベーションが起こるのではないかと考えている。
宮田 俊男/早稲田大学理工学術院 先進理工学研究科 教授 医療法人DEN みいクリニック理事長(内科医師)
規制緩和がされ、新しいイノベーションが大きく進んでいく一方、当然、オンライン診療で何でも診察ができるわけではなく、様々な薬を全て処方できるわけでもありません。医療者側と患者さん側が共に、これらを適切に活用することが必要であり、患者さん側もよく理解し、セルフケアリテラシーを高めていくことが重要だろうと考えております。
川崎 真規/株式会社日本総合研究所 リサーチ・コンサルティング部門 シニアマネジャー
疾患領域を超えて議論を行い提言する患者団体は、日本では多くはありません。医療政策決定プロセスに患者の声をさらに届けるための取組みに賛同します。特に、①市民・患者視点での「ありたい医療の受け方」の議論、②様々な方々との「対話を通した議論」、③「疾患領域を超えた議論」を期待しております。子供や孫、大切な方へ渡したい、今後の医療の仕組みを検討するうえでも、重要な取組みになると考えます。
大屋 亜希子/一般社団法人サードパス 代表理事
高齢化に伴う疾病構造の変化によって、従来の「治す医療」から「治し、支える医療」への転換が求められています。生活を支えることを重視した、これからの医療の仕組みを作る上では、専門家の知見だけではなく、生活を良く知る患者本人や周囲の人の参画が必要不可欠と考えます。政策決定プロセスに患者・市民の声を反映することで、より多くの人が納得できる医療を実現できるのではないでしょうか。
以上